10月28日 書評以前 その②

 前回の続き。人文フロアから。

 

16冊目 西アジア史の棚(だった気がする)

B.C.1177

・紀元前13世紀から12世紀初頭にかけてヒッタイトやエーゲ諸王国(ミケーネ文明)を滅ぼした民族系統不明でお馴染み「海の民」についての最新の考古学的研究。海の民は世界史でも本当に名前しか出てこないので全然知らない。読みやすそう。

 

17冊目 「批評を楽しむためのフェア」選書の棚

文学理論講義:新しいスタンダード

・大学教科書としての使用を想定されている文学理論の入門書。パラパラ見た感じだが入門書にしては議論が詳細で面白そうだった。訳書であるため英米文学のみが対象。この選書の棚には複数の文学理論の本があったが一番良さそう。読みやすそう。

 

5階 ビジネス 法律・経済

・見てると体調悪くなりそうな本もいっぱい置いてある最高のフロア

18、19冊目 経済書話題書の棚(だった気がする)

大不平等――エレファントカーブが予測する未来

監視資本主義: 人類の未来を賭けた闘い

 

・大不平等――エレファントカーブが予測する未来 『資本主義だけ残った――世界を制するシステムの未来』の作者、ブランコ・ミラノヴィッチの前作。今作でも結構引用されていたし同様の主張の箇所もあるだろうが普通に読み物として面白そう。みすず書房なのでやたら高い。

 

・監視資本主義: 人類の未来を賭けた闘い ミラノヴィッチの著作群と同じ棚に置いてあった。情報社会(経済?)系の本も通読できたことがないので読みたい。600ページある。読みにくそう。

 

7階 理工

20冊目 人類学の棚

ドナウ川の類人猿: 1160万年前の化石が語る人類の起源

・サピエンス全史っておもしろいよね

 

21、22冊目 建築学の棚

イスラーム建築の世界史

都市のルネサンス:イタリア社会の底力

イスラーム建築の世界史 以前から気になっていた本だが先日公開のプリキュアの映画の背景や内装にやたらイスラーム建築が出てきて思い出した。著者は工学博士なので建築学っぽい話多くても困るな〜と思い実物を確認したところ普通に入門講義っぽい内容だった。この著者の本の中から何かしら読もうとは思ってたのでこれにします。岩波セミナーブックスってこういう感じだよねって温度感でちょうどいい。読みやすそう。

・都市のルネサンス:イタリア社会の底力 ルネサンスを語る上で都市の話は欠かせないが完全に建築と都市構造に焦点を置いた本はあまり見ないので気になった。78年に新書で出版された本の増補版らしい。読みにくいかもしれない。

 

23、24 環境?の棚

モア・ザン・ヒューマン マルチスピーシーズ人類学と環境人文学 (シリーズ人間を超える)

人新世とは何か ―〈地球と人類の時代〉の思想史

・モア・ザン・ヒューマン マルチスピーシーズ人類学と環境人文学 環境人文学???奥野克己って現代思想に書いてる人じゃんと思って入れた。(シリーズ人間を超える)ってかなりおもしろい。内容はインタビュー集だが公式サイトでも読める。人類学の未来みたいな話とか工業型畜産の限界とか気になるインタビューはあるが怪しすぎるのも多い。狂ってそう。

・人新世とは何か ―〈地球と人類の時代〉の思想史 これ難しそ〜

 

25冊目 生物話題書の棚

スピルオーバー――ウイルスはなぜ動物からヒトへ飛び移るのか

明石書店ってこういうの出すんだ 政治系の話しかやらないと思ってた 中身あんま読んでないけど政治要素あったらしょんぼりします

 

3階 文芸 文庫・新書

26冊目 SF特集の棚

完全な真空(河出文庫

・オタクは架空の書評集読んでないで小林秀雄を読め

 

B1階 コミック・ゲーム攻略本

27〜29冊目 TRPGの棚

クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1 クリーチャー編 (ログインテーブルトークRPGシリーズ)

クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.2 神格編 (ログインテーブルトークRPGシリーズ)

暗黒神話TRPGトレイル・オブ・クトゥルー

・新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム 2019年に基本ルールが7版に刷新されたのでモンスター関連のデータ集のマレウス・モンストロルムも改訂されたみたい。前は一冊だったのが二冊になって追加もあるらしい。マレモン(略称)セコセコ開いてシナリオ書くのももうやってないな 過去の版からのデータ変換はさして難しくないので買うかは微妙。↓前の版

暗黒神話TRPG トレイル・オブ・クトゥルー なにこれ!??!??!??新作 TRPG!??!??これなに!????KADOKAWAでもない知らん出版社だし サプリも出てんじゃん

サプリ出してる新紀元社って第5版の頃に黄昏の天使とか国産シナリオ出してたとこじゃん このサプリもおもしろそ〜ハチャメチャモチベ爆上がり

あとKADOKAWAラヴクラフト傑作選出しはじめたらしいですね 創元推理文庫の全集の訳は雰囲気出てるけど読みにくすぎるので今から読むなら新しい訳の方がいいと思います 新しい方読んでないけど

 

30冊目 ジャンプ関連作品の棚

BLEACH Can't Fear Your Own World

・ジャンプ作品の中で幼少期馴染みのなかったBLEACHをここ2年くらいで完全に履修完了し、先日の読み切りでリアタイ感を覚えることにも成功したので獄頣鳴鳴篇に備えて映画・小説等の会得が求められています。

 

以上

おまけ

アミ戸用キンチョール

最近はこの動きの練習をしています。

 

 

 

以上

 

送り

10月25日 書評以前 その①

 久々に池袋のジュンク堂に出かけた。本屋に行って気になる(がその場では買わない)本をメモするのは誰もが行うことだろうが、今日の私はふと思い立ちその場で興味を抱いた本を全て投入したほしい物リストを作成した。それを振り返りつつ実際に購入する本を選定する作業としてブログにしている。

 選んだ順に紹介する。大半は本屋で手に取り覚えておきたいだけの本で付随する文章は書評ですらない。何も理解していないものもある。おそらく紹介したうち実際に読むのは10冊ほどだろう。

 全部で30冊以上あるので当日に更新するその①では15冊を紹介する。これは本以上に自己を紹介する記事になりうる。

4階 人文・社会・心理

1〜3冊目 メディア論系の棚

カルチャロミクス:文化をビッグデータで計測する

 

サイバーペット/ウェブ生命情報論

 

デジタル・スタディーズ3 メディア都市

書評以前

・カルチャロミクス Google Ngram Viewerの開発とビックデータ研究の紹介本。2016年の本だが未来志向の断定調でない知的な素人向けのハードカバーは面白いので選んだ。読みやすそう。

・サイバーペット/ウェブ生命情報論 情報学者の作者による右開きの生命情報論(横書き)の教科書と左開きの表題小説が一冊になっている。若そうな文体だったので2008年の本であること、著者が1948年生まれであることを今知って驚いた。なんか関連あるんだかないんだかみたいな感じ。高校3年の時に文化祭で私が発行した本と同じ構造をしているので気になった。

・デジタル・スタディーズ3 メディア都市 著者の1人の石田英敬は思想系の入門書も多く書いている。専門のメディア論では目にしたことがなかったので当該3冊のうち一番面白そうなのを選出した。(送りは都市が大好き)石田はTwitterで田舎の夏の画像を供給する側面を持つ。

 

4冊目 倫理学の棚

命をどこまで操作してよいか:応用倫理学講義

書評以前

・9月に発売された生命倫理の講義。本当は愛玩動物の存在の危うさみたいな本が読みたくて棚を見てたら目についた。2021年現在のモラルの確認をしたい。

 

5冊目 言語学の棚

現代アラビア語の発展とアラブ文化の新時代:湾岸諸国・エジプトからモーリタニアまで

 

 

書評以前

言語学の棚にあったアラビア語とアラブ文化の通史研究。アラブの春以降の若者言葉とネットミームみたいな部分をチラ読みして面白そうだった。中田孝がどっかでアラビア語コーランから語彙がそんな変わってないからネットニュースもコーランもどっちも読めるって言ってたが実際どんなもんなのかも気になる。

中田:アラビア語は簡単ですよ。例えばヘブライ語だと古典ヘブライ語(聖書ヘブライ語)文法と現代ヘブライ語文法は完全に別物として教えるんですが、アラビア語にはそういう区別がありません。日本語でも古語の文法を習わないと、古文は読めませんし、語彙も全然違います。ところがアラビア語では、1400年経っても語彙も大きく変わっていません。私も普段はクルアーンや千年ほど前に書かれた古典イスラーム文献を、現代アラビア語辞典(The Hans Wehr Dictionary of Modern Written Arabic)で読んでいますからね。それくらい古典と現代語って差がないんですよ。だからアラビア語は簡単なんですよ(笑)

www.kk-bestsellers.com

 

6、9冊目 コロニアル・スタディーズと多文化共生の棚

リベラル・ナショナリズム多文化主義:イギリスの社会統合とムスリム

 

ユニオンジャックに黒はない――人種と国民をめぐる文化政治

書評以前

・どっちも面白そ〜かなり読む可能性高いと思われる ブラック・アメリカンの言説はデュボワの「黒人のたましい」とNOI(ネイション・オブ・イスラム)のwikipedia(英語版)くらいしかまともに読んだことがないしUKだと尚更だが頑張るぜ

 

7冊目(8冊目) 同じ棚

故国喪失についての省察〈1〉

 

The Unknown Orwell and Orwell: The Transformation

 

・故国喪失についての省察〈1〉 『オリエンタリズム』などで知られるパレスチナアメリカ人の文学研究者、エドワード・サイードによる批評集。表題はその中の1タイトル。ほぼブログ。本文7章『どん底への観光旅行——ジョージ・オーウェル』の批評対象が下に載せたやつ。

 

・The Unknown Orwell and Orwell: The Transformation オーウェル作品がレッド・パージの文脈に巻き込まれすぎで実際本人はあんまり社会主義理解してなかったよって部分で興味惹かれただけ これはマジでそうで小説家としての偉大さと政治的な(西側の)正義感を混同されている節はずっとある 読みにくそう

 

10、11冊目 文化人類学とかの棚

メイキング 人類学・考古学・芸術・建築

 

Insect Media: An Archaeology of Animals and Technology 

・専門分野を人類全体に拡張するタイプのハードカバーっておもしろいよね 前者は社会人類学者が文化人類学と考古学を視覚文化と建築を並列にものづくりの話するやつ 後者は生物学者が複数の専門家と喋りながら昆虫の社会組織がメディアとかネットワーク構造に与えた影響の話するやつ どっちもかなり読みやすそう ジュンク堂は普通に洋書が棚に置いてあるのが嬉しい

 

12〜14冊目 話題の新刊の棚

透明社会

疲労社会

哲学JAM[赤版]: 現代社会をときほぐす

・透明社会&疲労社会 ともに先週発売の韓国出身のドイツ現代思想家の初邦訳。思ったより読みやすそうだったから欲しくなってきた。まだ日本語の感想全然出てなくてどんなんかわからんけど。あとこの感じで訳者違うのなに

・哲学JAM[赤版]: 現代社会をときほぐす アーレント研究でお馴染みの金沢大学の仲正先生による書店で行われた全11回の講義を3巻に分けて完全収録したらしいやつの一冊目。広範な話題を根幹の1テーマでまとめ上げた講義がたくさん収録されている上公開講座の質問も全部載ってたのでかなり初学者向けだと思われる。共和国(出版社)は存在は知ってたけど実際の本は初めてみた。

 

15冊目 どの棚か忘れた

特講 私にとって文学部とはなにか

・唯一その場で購入した本。学生向けの本は動機付け以上に呪いとして私に降りかかる。

 

 

おまけ

ダイナマイト - YouTube

ノースリーブ襟付きヒョウ柄シャツイン指抜きグローブが許される時代 曲名だから当たり前だけど動画タイトルも面白い

 

以上

送り

7月9日 可愛くならなければならない

 1ヶ月と少し前、2年半くらい伸ばした髪を切った。

 それは法事があったからだ。もし芋煮の次に厳粛な場である葬儀に春先に染め上げた桜色が抜けきらないポニー・テールを靡かせる無職がいたならば、その不貞の輩の分まで線香をあげねばならない、というのは山形県内の各自治青年団(最小年齢65歳)では入団時に覚える鉄の掟である。この掟を当然私も心得ているので適切と思われる髪型を選択し馳せ参じたというわけだ。

つまり不本意ながらも髪を短くし、染め直したわけだが、これが辛くてたまらない。私には確かに金髪が似合っていたし、左腕にヘアゴムを控えることも、良い洗髪剤を見繕ってきて毎日丹念に髪を愛撫することも、たまの外出時には友人に会う前に美容室に寄って結えてもらう事も果てない悦びであったようだ。

当時はそれが数年後の日常の前借りであることを確信して疑わなかった、女装をしての高校部活同期の定例会参加も(昨年の夏に荒川でBBQした)このまま唯一の美しい思い出になってしまうのだとしたら、どんなに悲しいことだろう。絶対また伸ばす。

 

 昨日は本当に情けない1日だった。昼前に起床し、本を読み、SteamとDLsiteで購入したゲームをし、気絶をしたのち、逃避としてブックオフでトリコ(1〜5巻)を読み、降りしきる雨の川沿いをサンダルで闊歩したところ、何やら左足の親指の爪周りが腫れてしまった。何しろ昨年末から年明けにかけて右足の同部位でひょう疽を起こし辛い思いをしたのでビビり散らしている。こんなことってあるかよ。このまま帰っても気分転換の機能を果たせそうにないのでやよい軒でひつまぶし定食を食べて帰宅した。ひつまぶしってほとんどだし茶漬けが美味いだけだな。夏って最高だぜ。