7月9日 可愛くならなければならない

 1ヶ月と少し前、2年半くらい伸ばした髪を切った。

 それは法事があったからだ。もし芋煮の次に厳粛な場である葬儀に春先に染め上げた桜色が抜けきらないポニー・テールを靡かせる無職がいたならば、その不貞の輩の分まで線香をあげねばならない、というのは山形県内の各自治青年団(最小年齢65歳)では入団時に覚える鉄の掟である。この掟を当然私も心得ているので適切と思われる髪型を選択し馳せ参じたというわけだ。

つまり不本意ながらも髪を短くし、染め直したわけだが、これが辛くてたまらない。私には確かに金髪が似合っていたし、左腕にヘアゴムを控えることも、良い洗髪剤を見繕ってきて毎日丹念に髪を愛撫することも、たまの外出時には友人に会う前に美容室に寄って結えてもらう事も果てない悦びであったようだ。

当時はそれが数年後の日常の前借りであることを確信して疑わなかった、女装をしての高校部活同期の定例会参加も(昨年の夏に荒川でBBQした)このまま唯一の美しい思い出になってしまうのだとしたら、どんなに悲しいことだろう。絶対また伸ばす。

 

 昨日は本当に情けない1日だった。昼前に起床し、本を読み、SteamとDLsiteで購入したゲームをし、気絶をしたのち、逃避としてブックオフでトリコ(1〜5巻)を読み、降りしきる雨の川沿いをサンダルで闊歩したところ、何やら左足の親指の爪周りが腫れてしまった。何しろ昨年末から年明けにかけて右足の同部位でひょう疽を起こし辛い思いをしたのでビビり散らしている。こんなことってあるかよ。このまま帰っても気分転換の機能を果たせそうにないのでやよい軒でひつまぶし定食を食べて帰宅した。ひつまぶしってほとんどだし茶漬けが美味いだけだな。夏って最高だぜ。