10月25日 書評以前 その①
久々に池袋のジュンク堂に出かけた。本屋に行って気になる(がその場では買わない)本をメモするのは誰もが行うことだろうが、今日の私はふと思い立ちその場で興味を抱いた本を全て投入したほしい物リストを作成した。それを振り返りつつ実際に購入する本を選定する作業としてブログにしている。
選んだ順に紹介する。大半は本屋で手に取り覚えておきたいだけの本で付随する文章は書評ですらない。何も理解していないものもある。おそらく紹介したうち実際に読むのは10冊ほどだろう。
全部で30冊以上あるので当日に更新するその①では15冊を紹介する。これは本以上に自己を紹介する記事になりうる。
4階 人文・社会・心理
- 1〜3冊目 メディア論系の棚
- 4冊目 倫理学の棚
- 5冊目 言語学の棚
- 6、9冊目 コロニアル・スタディーズと多文化共生の棚
- 7冊目(8冊目) 同じ棚
- 10、11冊目 文化人類学とかの棚
- 12〜14冊目 話題の新刊の棚
- 15冊目 どの棚か忘れた
- おまけ
1〜3冊目 メディア論系の棚
カルチャロミクス:文化をビッグデータで計測する
サイバーペット/ウェブ生命情報論
デジタル・スタディーズ3 メディア都市
書評以前
・カルチャロミクス Google Ngram Viewerの開発とビックデータ研究の紹介本。2016年の本だが未来志向の断定調でない知的な素人向けのハードカバーは面白いので選んだ。読みやすそう。
『資本主義だけ残った』、4章5章だけを拡張すればホモデウスというかハラリ的なウケ方出来るのではと思った(未来志向の断定調でない知的な素人向けの本は面白いので)
— 送り (@octagonokuri) 2021年10月19日
・サイバーペット/ウェブ生命情報論 情報学者の作者による右開きの生命情報論(横書き)の教科書と左開きの表題小説が一冊になっている。若そうな文体だったので2008年の本であること、著者が1948年生まれであることを今知って驚いた。なんか関連あるんだかないんだかみたいな感じ。高校3年の時に文化祭で私が発行した本と同じ構造をしているので気になった。
・デジタル・スタディーズ3 メディア都市 著者の1人の石田英敬は思想系の入門書も多く書いている。専門のメディア論では目にしたことがなかったので当該3冊のうち一番面白そうなのを選出した。(送りは都市が大好き)石田はTwitterで田舎の夏の画像を供給する側面を持つ。
梅雨明けはいいな、真っ青な空だよ。
— 石田英敬 (@nulptyx) 2021年7月16日
子ウサギたちも食欲が出てきた。カエル君もいたことには気がつかなかったな。 pic.twitter.com/HHvTdECZMn
4冊目 倫理学の棚
命をどこまで操作してよいか:応用倫理学講義
書評以前
・9月に発売された生命倫理の講義。本当は愛玩動物の存在の危うさみたいな本が読みたくて棚を見てたら目についた。2021年現在のモラルの確認をしたい。
5冊目 言語学の棚
現代アラビア語の発展とアラブ文化の新時代:湾岸諸国・エジプトからモーリタニアまで
書評以前
・言語学の棚にあったアラビア語とアラブ文化の通史研究。アラブの春以降の若者言葉とネットミームみたいな部分をチラ読みして面白そうだった。中田孝がどっかでアラビア語はコーランから語彙がそんな変わってないからネットニュースもコーランもどっちも読めるって言ってたが実際どんなもんなのかも気になる。
中田:アラビア語は簡単ですよ。例えばヘブライ語だと古典ヘブライ語(聖書ヘブライ語)文法と現代ヘブライ語文法は完全に別物として教えるんですが、アラビア語にはそういう区別がありません。日本語でも古語の文法を習わないと、古文は読めませんし、語彙も全然違います。ところがアラビア語では、1400年経っても語彙も大きく変わっていません。私も普段はクルアーンや千年ほど前に書かれた古典イスラーム文献を、現代アラビア語辞典(The Hans Wehr Dictionary of Modern Written Arabic)で読んでいますからね。それくらい古典と現代語って差がないんですよ。だからアラビア語は簡単なんですよ(笑)
6、9冊目 コロニアル・スタディーズと多文化共生の棚
リベラル・ナショナリズムと多文化主義:イギリスの社会統合とムスリム
ユニオンジャックに黒はない――人種と国民をめぐる文化政治
書評以前
・どっちも面白そ〜かなり読む可能性高いと思われる ブラック・アメリカンの言説はデュボワの「黒人のたましい」とNOI(ネイション・オブ・イスラム)のwikipedia(英語版)くらいしかまともに読んだことがないしUKだと尚更だが頑張るぜ
7冊目(8冊目) 同じ棚
故国喪失についての省察〈1〉
The Unknown Orwell and Orwell: The Transformation
・故国喪失についての省察〈1〉 『オリエンタリズム』などで知られるパレスチナ系アメリカ人の文学研究者、エドワード・サイードによる批評集。表題はその中の1タイトル。ほぼブログ。本文7章『どん底への観光旅行——ジョージ・オーウェル』の批評対象が下に載せたやつ。
・The Unknown Orwell and Orwell: The Transformation オーウェル作品がレッド・パージの文脈に巻き込まれすぎで実際本人はあんまり社会主義理解してなかったよって部分で興味惹かれただけ これはマジでそうで小説家としての偉大さと政治的な(西側の)正義感を混同されている節はずっとある 読みにくそう
10、11冊目 文化人類学とかの棚
メイキング 人類学・考古学・芸術・建築
Insect Media: An Archaeology of Animals and Technology
・専門分野を人類全体に拡張するタイプのハードカバーっておもしろいよね 前者は社会人類学者が文化人類学と考古学を視覚文化と建築を並列にものづくりの話するやつ 後者は生物学者が複数の専門家と喋りながら昆虫の社会組織がメディアとかネットワーク構造に与えた影響の話するやつ どっちもかなり読みやすそう ジュンク堂は普通に洋書が棚に置いてあるのが嬉しい
12〜14冊目 話題の新刊の棚
透明社会
疲労社会
哲学JAM[赤版]: 現代社会をときほぐす
・透明社会&疲労社会 ともに先週発売の韓国出身のドイツ現代思想家の初邦訳。思ったより読みやすそうだったから欲しくなってきた。まだ日本語の感想全然出てなくてどんなんかわからんけど。あとこの感じで訳者違うのなに
・哲学JAM[赤版]: 現代社会をときほぐす アーレント研究でお馴染みの金沢大学の仲正先生による書店で行われた全11回の講義を3巻に分けて完全収録したらしいやつの一冊目。広範な話題を根幹の1テーマでまとめ上げた講義がたくさん収録されている上公開講座の質問も全部載ってたのでかなり初学者向けだと思われる。共和国(出版社)は存在は知ってたけど実際の本は初めてみた。
15冊目 どの棚か忘れた
特講 私にとって文学部とはなにか
・唯一その場で購入した本。学生向けの本は動機付け以上に呪いとして私に降りかかる。
おまけ
ノースリーブ襟付きヒョウ柄シャツイン指抜きグローブが許される時代 曲名だから当たり前だけど動画タイトルも面白い
以上
送り